お歳暮は、日本の伝統的な贈答文化の一つで、一年の終わりに日頃お世話になっている方々へ感謝の気持ちを込めて贈り物をする習慣です。

お歳暮の由来

お歳暮の起源は、江戸時代にさかのぼります。当時、商人が年末に取引先や得意先へ感謝の印として品物を贈ったことが始まりとされています。「歳暮」という言葉は、「年の暮れ」を意味し、一年の締めくくりとして感謝の気持ちを表す大切な行事となりました。

現代のお歳暮

現代では、ビジネスシーンだけでなく、親戚や友人、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝える機会として広く定着しています。贈る相手との関係性や、その年の感謝の度合いに応じて、適切な品物を選ぶことが大切です。

一般的な時期

お歳暮を贈る時期は、地域によって多少異なりますが、一般的には12月初旬から12月20日頃までとされています。

地域別の時期

• 関東地方：12月初旬〜12月20日頃
• 関西地方：12月13日頃〜12月20日頃
• その他の地域：12月10日頃〜12月20日頃

時期を過ぎてしまった場合

もし12月20日を過ぎてしまった場合は、表書きを「寒中御見舞」として、1月8日以降、立春（2月4日頃）までに贈ることができます。また、「御年賀」として1月1日から1月7日（松の内）までに贈ることも可能です。

一般的な相場

お歳暮の相場は、贈る相手との関係性によって異なります。以下を目安にお選びください。

• 親戚・友人：¥3,000〜¥5,000程度
• 上司・取引先：¥5,000〜¥10,000程度
• 特にお世話になった方：¥10,000以上

相場を決める際のポイント

金額よりも、相手のことを考えて選んだという気持ちが大切です。相手の好みや家族構成、ライフスタイルなどを考慮して、喜んでいただける品物を選びましょう。また、毎年贈る場合は、前年と同程度の金額を保つことがマナーとされています。

贈る際の基本マナー

• 本来は直接訪問して手渡しするのが正式ですが、現代では配送が一般的です
• 配送の場合は、事前に送り状を出すか、品物が届く頃に電話やメールで連絡を入れましょう
• 熨斗は紅白の蝶結びの水引を使用します
• 表書きは「お歳暮」または「御歳暮」とし、名入れは贈り主の名前を記入します

避けるべき品物

• 現金や商品券（目上の方には失礼とされます）
• 刃物類（「縁を切る」を連想させるため）
• 履物（「踏みつける」を連想させるため）
• ハンカチ（「手切れ」を連想させるため）

喪中の場合

お歳暮は感謝の気持ちを伝えるものなので、喪中でも贈ることができます。ただし、紅白の水引は避け、無地の熨斗紙を使用するか、表書きを「寒中御見舞」として時期をずらして贈ることが望ましいです。